第68回(2018年) 調布祭ミスコンの採点分析
そういえば 先日、ミスコンの点数開示がありました、との報告をいただきまして。筆者はミスコン分析屋*1 *2でもあり 黙っていられないので、今年の採点分析をしていきたいと思います。
今年のレギュレーション
まず最初に、今回の採点基準についておさらいしておきましょう。
- 女装点(30点): 女性らしい姿、女性らしい衣装を着こなしているか
- パフォーマンス点(40点):演技の質の高さ
- 女子力点(10点):女性らしい仕草や話し方をしているか
- 観客点←New(20点):当日お客さんに投票してもらう点数
いわば、2016年度ミスコンの「ボルテージ」に 観客の生の声を加点する、という新しい試み。この点数が当日の運命を分けるとは点数開示まで知る由もないのであった。
例年の傾向では
- 可愛いは正義
- 豪華な衣装(コスプレ衣装など)は 目を惹くので強い
- ライトアップ演出も強い
- 舞台全体を使うと吉
- 選曲は大事。コールなどあると吉
- ダンスは しっかりキメる
- 歌や劇で勝負してもよい
- 逆に冗長な演技はマイナス
- 靴や足元にも気を配ろう
- 複数人グループでは 可愛さが平均化されるので少しだけ注意
などのポイントがあったわけですが、はたして...。
今年の筆者の採点方法
筆者、今年の審査員だったわけですが...。後日談なので話してしまうことにします。
実際、自分の採点結果と全体評価も同じような感じだったので、以降述べる考察は 8割方 間違ってなさそうな情報だと思います。
そういえば昨年、採点要綱をまとめた紙を 審査員席に持ち込んだのですが、周りが暗くて見えないし、演技に集中するには紙から目を離す必要があったので、今年は不採用。
というわけで、今回の採点方法は、
- 大まかにミスコンの趣旨に合致するアピールであれば50%のベース点を加算
- 残りの点数について、項目ごとに2つほどグループを作り採点
という方式を取っていました。
どういうことか と言えば、
例えば1つ目なら「アピールの主体が出場者本人になっているか」だったり、
「当日演じるキャラになりきれているか」だったりが含まれます。
2つ目はと言うと、「お話パート」+「ダンスパート」などのようにグループ分けをして、それぞれの点数を足して最終的な点数を出しておりました。
この方式を取ることで、演技中は演技に集中して、インタビュー中に採点をじっくり行える、というメリットが生まれました。
以下に述べている「各注意ポイント」については演技中の把握が必須ですが、そこだけしっかり覚えていれば採点ができるので かなり正確に採点できたかと思います。
一応筆者、「これ以上(良い意味で)改善点がないであろう」という項目には平気で満点を付けます。下手に点数を渋ると最終的な集計が大変なことになるので、そこだけは自分の心に正直な点数の付け方をしているので ご了承をば。
というより、素晴らしい要素に満点を付けないのは その人に失礼でしょう。素晴らしい演技や演奏の後にはスタンディングオベーションが付き物。つまりは そういうこと。
採点分析
筆者は正式な演技団体でないので詳細は書きませんが、今年の傾向をざっくりと。
女装点
やはり「可愛いは正義」というのは間違いなさそう。
ただ、衣装の豪華さでは判別がつかない、というのが今年の見解ですね。
制服や普段着といった格好でも十分高い点数を叩きだしているので、「本人の可愛さを いかに際立たせられているか」が重要なのかも。
あと、どれだけ劇中のキャライメージに合っているか、というのもポイントかも。
役にハマるだけで かなり好印象が持てそうです。
また、複数人グループ特有の「可愛さ平均化」は今年も点数に表れていそうですね。
舞台全体を難なく使えるメリットを得るために生じる ネックポイントでもあるので、こればっかりは 可愛さ・美しさ を鍛えるしかなさそう...。
ウィッグは自分の顔立ちに合わせて調整したり、メイクや仕草を工夫してみたり...。改善できそうなポイントは(一般的に)いくつか浮かびそう。
女子力点
女装点と同系統なので 先にこちらを書きます。
たぶんですが、「女性らしい仕草」、これが一番効いていると思います。
女装点の記述と被りますが、「いかにキャラクターになりきっているか」、つまり いかに表現力をフルに使って演技できているか、が勝負の分け目になったんじゃないかと。
一番わかりやすい例を出せば、「手で口元を隠す動作」とか。筆者もやってましたが。
男がやっても同じような動作だけだと点数が伸び悩むんじゃないかなー、と。
あと、よくあるのが足元への注意。
ステップを踵から強く踏んだりすると、足の筋肉が強調されて力強い印象を与えてしまうというのもあって、靴底が平たい靴を選択したときに注意が必要かな... と。
ヒールなら全く問題ないんですけどね(そもそも、ヒールでステップを踵から地面についていたらバランス取れずに転ぶと思います)
最後に、今年は顔の表情まで しっかり見ていたので、演技中の表情 はかなり大事なポイントだったと思います。
アイドルは いつだって笑顔が大事ですよ。疲れそうになっても笑顔は忘れちゃダメ。
良い意味の真剣な顔と、悪い意味の深刻な顔があるので、その辺は注意ですね。
と、ここまでいくつか書きましたが、基本的に女装点が高ければ女子力点も高い傾向にあります。どこまで加点を稼げるか、という話に帰着してしまいますが、ここを伸ばすより他を伸ばした方が 全体的に点数が上がる事実には変わりないんですよね。
女性らしい美しさと しなやかさを兼ね備えるダンス... ぜひとも習得したいところ。
パフォーマンス点
言わずもがな。「エモかった or 楽しかった」=高得点 です。
実際ここまで単純ではありませんが、特に今年は 演技中に各団体の練習量が伝わってくる迫力ある演技だったので 間違ってはいないかと。
舞台設定の伝達度、お話の繋ぎ方、ダンスの出来栄え などの要素が合わさると 高得点に繋がりやすくなるのでは、というところです。
特に、ダンスの出来栄えが良いと高得点に繋がる、というのは例年どおり。
もちろん、「ミスコン」=「ダンス」ではない ので、ダンス力を他でカバーすることで結果的に高得点を叩きだせるわけですが。
やはりか... という感じですが、「冗長な演技はマイナス」というのも事実ですね。
過去5年の演技を見る限り、
- 1楽曲が純粋に長い(2.5分以上)
- 振付に勢いがなく、こじんまりしている
- 定位置に留まっている時間が長い
と、これらの要素が重なることで、パフォーマンス点が低くなる傾向にあります。
つまり、「演技が冗長になる」、「次の動きが読めてしまう」わけです。
じゃあ とりあえず動けばいいのか、って話になりますが、「とりあえず動いてみた」という動きは「動き自体に意味がない」ので点数を稼げません。
動きを入れるなら何かしらの意味(例えばアピールのため)が必要になりそうですね。
観客点
知らん。他を当たってくれ。
......。
いや、マジメに考察はしますよ。実際ここが難しい場所だし。
実は今年、ものすごい僅差で順位が決まっているわけでして。
この観客点だけは全く予想できなかった結果だったんですよね。
当時のツイートを漁った限り、おそらくツイート主の大半は電通大生 or その関係者。
となれば、電通大生に身近な話題やネタだと共感ポイントが高くなって高得点か。
...とも考えましたが、それだけでは なさそう。
パフォーマンス点に直結する部分(出来栄えとして)は少なからず関係してそう。
特に「演技の見応え」、「時間の使い方」などは如実に表れていますね。
ん、少しわかったかも。
......。
何がやねんw
え、あ、うん。採点結果が母体によって変わるって話。
よーく考えれば、審査員って基本 毎年ミスコンを観に来ないわけで。
女子大の人は毎年来てくれるけど、それは「女子大の人」が来てくれるだけで、「昨年と同じ人」が来てくれているとは限らない。
つまりは「今年行われるミスコンの演技」がファーストインプレッションになる人がほとんどってこと。
対して観客点。母体は もちろん お客さん。この人たちは いつからミスコンを観に来ているんだろうか。今年が初めての人もいるだろうけど、大半は昨年以前から電通大のミスコンを知っている人たちなのでは?
つまりは「昨年までのミスコンの演技」がファーストインプレッションになっていて、昨年のような感動を求めて今年も観に来ているんじゃなかろうか。
となれば話は簡単。
例年どおりの王道演技(お話パート → ダンスパート×複数)は 従来の観客が求める需要と合致するため、高得点が期待できる。
逆に 例年と趣向を変えた演技は 経験として今年が初になるため、採点が慎重になる。
というのが観客点の中身でしょうか。
いや、ホントのところは わかんないけどね。
おわりに
毎年こういう分析をするたびに、「ミスコンって奥が深くて楽しいな」と感じる筆者でありました。もうね、市場調査の域なのよ、これ。
最後にですが、この記事が来年以降のミスコン演技の参考になれば幸いです。
今年の出場者の方、来年以降出ようと考えていらっしゃる方などから 直接ご質問もお受けしております。その際はTwitterアカウント @NaClcaramel までお願いします。
ではでは~